日経デジタルコア月例会議

昨日、日経デジタルコアの月例会に参加した。私は日経デジタルコアのネット会議メンバーではないが、社内の関係者からの紹介で参加させてもらうことができた。

お題は「Web 2.0」。

講演者は、富士通総研湯川抗氏、フィードパスの小川浩氏(氏のITmediaオルタナティブ・ブログはこちら)、D4DRの藤元健太郎氏(氏のHotwired「ITビジネス原論」はこちら−もう終わっちゃっていますが)。

湯川氏はWeb 2.0そのものを再度理解することを目的に、原点に戻るという意味で、Tim O'Reillyの定めた論文を解説。

以下、自分のための備忘録(良く場所を忘れるので)。

Tim O'Reillyの論文(原文)はWhat Is Web 2.0 - Design Patterns and Business Models for the Next Generation of Software。日本語訳はCNET Japanが記事にしている。

小川氏はFeed(RSS、ATOM、SSE)についてのビジネス面でのインパクトを解説。SSEとはマイクロソフトによるRSS拡張(マイクロソフトRSS拡張についてはここで簡単に書いた)。Simple Sharing Extensionsの略。小川氏はSSEに反対の立場をとっていると思っていたが、好意的な説明をされていたのが意外だった。検索してみると、考えを変えたいらっしゃったようだ(このITmediaのオルタナティブ・ブログを参照)。話の内容は氏のブログITmediaオルタナティブ・ブロガー・リレーで話されているものとほぼ同じ。

自分のための備忘録 → 日本ではRSS 1.0が、米国ではRSS 2.0が主流。GoogleなどはATOMが好き。

ところで、内容とは関係ないのだが、氏のプレゼンは高橋メソッドのように、大きな文字で、スライドの移動が頻繁にあるスタイルだった。氏は「フェイスアップ・プレゼンテーション」と呼んでいたが、なかなか参考になるスタイル。私も似たようなことをつい最近試したが、氏にはまだまだ敵わない。がんばろう。

最後は藤元氏によるWeb 2.0により加速される知識流通ビジネスについて。

Web 2.0はWeb技術の革新的な利用法により文化やビジネスのあり方を変えた現象だと思うが、私は必ずしもWeb技術である必然性は無いのではないかと考えている。たとえば、O'Reillyは数年前は(今でも?)P2Pについてもカンファレンスを開くなど、力を入れていたが、このP2PWeb 2.0が統合されるようなことは考えられないだろうか。SSEなどは必ずしもWebサーバーとクライアント間だけで利用されるばかりではないと思う。たとえ、使われる技術(プロトコルと言い換えても良い)はHTTPやXMLかもしれないが、P2Pと融合することもあるのではないだろうか? そうすると、会場から質問も出ていたが、Googleなどによる回線ただ乗り論などは無くなると思う。もっとも、今度はP2Pによるトラフィックの増加など別の議論が生じるとは思うが。Web 2.0で言われるCGMFolksonomyロングテールなどはP2Pであっても実現できるし、そのほうが効率良いものもあるだろう。私自身がP2Pへの興味が高いことを差し引いても、考えてみると面白いアイデアではないかと思うのだが。もしかして、誰かがすでに提唱している? 会場で質問してみようかと思ったが、少し技術的な議論で、場にそぐわなそうだったので、遠慮した。