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ITで日本を元気に!

「ITで日本を元気に!」

4月初旬の仙台訪問時にお世話になったトライポッドワークスの佐々木さんが「ITで日本を元気に!」というプログラムを立ち上げられた。

当プログラムの支援活動は、全国のIT企業と地元の経済復興のリード役である仙台の企業群「仙台から日本を元気に!」とが連携することにより、被災地に求められる今のニーズを継続的に把握し、タイムリーで細やかに支援ができることを目指します。

ITで日本を元気に!

Hack For Japanの活動でも、被災地の需要を把握することが課題だったので、このように被災地との橋渡しになってくれる動きがあるのはありがたい。仙台と会津若松*1に訪問して良くわかったのだが、被災地の需要は 1) 地域によって異なり、2) 時期によって異なる。したがって、石巻で必要だったものが、会津若松の避難所にいる人に必要であるとは限らない。もっと言うと、同じ宮城県内であっても異なる。また、昨日必要だったものが今日必要なくなることさえある。特に支援物資などについてはこの傾向が強い。

東京などから支援を考える場合、東京にいるエンジニアは「ITで何をして欲しいか言ってください」と言いたくなってしまうが、現地にそんな余裕は無い。そもそも平時でもシステムの要求仕様を検討する際には、業務分析などから行うだろう。

 津波による被害を受けた地域では、がれきの片付けだけでも手一杯であり、そのほかのことまで手が回らない状態だ。そのため、ITをどのように活用すれば復興に役立つかを考えるどころではなく、そもそもPCで情報を入力する余裕がない、情報を集めることもできない、ほかのボランティア・グループやNPOと情報交換している時間もないのだという。

<中略>

 では、いま被災地が求めていることは何なのか。それは、IT活用のアイデアを提供してもらうことではなく、むしろその前段階にある。まず、IT技術者が被災地に出向き、支援の活動をしている現地スタッフとともに行動することだ。そして、その活動から得られた情報、あるいはその活動をより円滑化するために必要と思われる情報をデータ化し、それを有効に活用する手段をITで講じることである。
 高橋氏は、「地域の情報や活動内容の詳細をいちいち説明している時間もないので、現地スタッフの行動を客観的な視点で見てもらい、支援/復旧活動を円滑に進めるための手段をITで作り上げてほしい。そして、ITに詳しくないスタッフでもそれを使いこなせるように、わかりやすく指導してほしい」と語っている。
【東日本大震災】いま被災地がIT業界に期待していることとは? : [ニュース特集]東日本大震災 - Computerworld.jp

この記事にあるように、本来であれば現地に赴き、そこで実際にボランティアに混じって作業することで初めてITで何が出来るかわかる。同じことは会津若松でも聞いた。

また、会津若松で見たのは、IT以前の情報整理の必要性だった。避難所の壁には各種連絡事項が書かれた紙がその重要性や期限に関わらず所狭しと貼られている。応援メッセージが各地からFAXで届く。貼る場所に困ってそうだ。

現地ではアナログ情報が重宝されるというのは、現地の事情を知る人の間ではもう常識になりつつあるが、アナログ/デジタルというフォーマットの問題ではなく、どのような情報が必要とされて、どのような形態で、どのような頻度で提供すれば良いかを誰かが考えないといけないのだろう。

これについてはもう少し考えてから、考えを述べたいと思うが、以上のように、現地にいない限りわからないことが多い。そのためには、このComputerworldの記事にあるように、現地にしばらく滞在することが望ましい。

だが、そうは言っても、それが出来る人は限られている。現地に行けない人は何もする権利が無いのか。そんなことは無いはずだし、そんなことを言っていては復興支援はまったくスケールしない。そこで必要となるのが、現地で橋渡しをしてくれる人たちの存在だ。

これにはいろいろなやり方があるだろう。現地でITに詳しいボランティアの方々と連携する方法。このような方々は何人もいらっしゃるだろうが、たとえば、ネトボラ宮城という活動が開始されている。このような現地での活動と連携することで、東京からでも支援が可能となるのではないか。

ITで日本を元気に!」でこのような動きをさらに加速したいと考えている。

被災時の状況

3/11に仙台で被災したトライポッドワークスの佐々木さんの話はご本人のブログHack For Japan〜仙台、石巻を訪ねて:企業のIT・経営・ビジネスをつなぐ情報サイト EnterpriseZine (EZ)でも紹介されているが、最近行われたトライポッドワークスのパートナー会でのプレゼンテーションの模様が公開されているので、そこからも知ることが出来る。

東日本大震災復興支援プログラム「ITで日本を元気に!」

23分ほどのビデオなので、出来れば全部見て欲しい。特に、特筆すべき部分を以下に記しておくので参考にして欲しい。右側のSlide Titleというところをクリックするとそのスライド部分に飛ぶ。

  • 2. 東日本大震災発生時の弊社オフィス(これはYouTubeでも見ることが出来る)- 途中から揺れが激しくなるのがわかる。佐々木さんは地震ではなくて隕石でも落下したのではないかと思ったそうだ。
  • 7. 震災直後の仙台@2011.3.14 - 仙台中心部は3/14にはほぼ復旧。阪神大震災とは違って、都市部に影響はほとんど無い。
  • 9. 震災直後の仙台@2011.3.18 - スライド9と10で3/18にはもうXXXが開店していて、仙台市民がそれを楽しんでいるのがわかる。
  • 11. 東日本大震災 被災地の状況 - スライド11から被災地の状況を写真とビデオで紹介。スライド23からは松島の様子を見ることが出来る。すでにGWの報道でもわかるように、観光地松島は無事。
  • 29. 映像 被災地の状況 - 今回の災害は地震での被害はそう大きくなく、ほとんどの被害は津波であった。また、津波もわずかな差で水が来たか来ないかで被災したかどうかが決まった。現地を見るとわかるが、それは0か1かのデジタルの世界だ。このビデオはそれをはっきりと現している。
  • 30. 東日本大震災 記録を残すことの大切さ - 仙台市若林区にある浪分神社。これは慶長大津波で波が止まった位置に経つ神社である。先人が「ここから先は津波が来るから住まないほうが良い」と警告の意味で建てたものであるが、現在では住宅地の中にある小さな神社となってしまっている。このように、未来への警告のためにも今回の震災の記録を残すことは大事である。

現地訪問

「ITで日本を元気に!」のような取り組みで現地の人との連携を図り、現地にいなくとも支援できる体制を取りたいと書いたが、それでも一度は現地に行ってみて欲しい。このGWで被災地にボランティアに出向いた人も多いだろう。まだ行っていない人も機会があれば是非行って欲しい。

先のComputerworldの記事も言う。

 被災地に行って現地スタッフから生の声を聞き、そしてその匂いや空気を肌で感じれば、現場の苦悩が理解できるはずである。また、「こうすればうまくいくのに」と思うこともあるだろう。電気、ガス、水道の社会インフラがダウンしても、インターネットは生き続けた。そのインフラを使って被災地を支援できるのは、IT技術者しかいないことを肝に銘じるべきである。東京のオフィスでPCに向かっているだけでは、被災地を支援していることにはならない。

【東日本大震災】いま被災地がIT業界に期待していることとは? : [ニュース特集]東日本大震災 - Computerworld.jp

私がスタッフとして関わっているHack For Japanでも次回のハッカソンは仙台と会津若松という被災者と直接対話が出来る場所でも行うことが決定した。興味のある人は奮って参加して欲しい。詳しくは Hack For Japan 5月21日、22日 アイデアソン・ハッカソン を見て欲しい。

今回は3会場での開催となりますが、東京など被災地以外の皆様には、仙台および会津若松での参加も検討して頂ければと思っております。ネット時代とは言え、現地に赴くことでしかわからないことが多くあります。また、現地を訪問することが冷え込んでしまった地元経済を多少なりとも潤すことになります。現地からの参加者の皆さんと一緒に議論し、開発することでより実際のニーズにあったものが産み出されることになると期待されます。

但し、現地では今なお余震が続き、安全が確約されるものではありません。矛盾する話ではありますが、あくまでご自身での判断、責任にて参加をお願い致します。

Hack For Japan: 第2回ハッカソンの参加申し込み開始のお知らせ

私は会津若松から参加する予定だ。仙台にもHack For Japanの別のスタッフが参加する。このブログを読まれている方と現地で会えることを楽しみにしている。

*1:大熊町の避難先になっている