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ソーシャルネットワークにおける地理情報中心のコンテキスト

前回のソーシャルネットワークにおける2つのコンテキストで書き忘れたことがある。ソーシャルネットワークではトピック中心と人中心以外のコンテキストとして、地理情報を中心としたコンテキストがある。

地理情報を中心としたコンテキストとは、ある地域周辺にいる人たちによるアドホックなグループによるコンテキストである。地理情報はGPSなどにより取得する。

たとえば、あるイベントが渋谷であったとしよう、そのイベント会場周辺でソーシャルネットワークサービスに接続すると、普段の自分のソーシャルグラフにより構成されるコンテキストとは別に、自分がいる場所周辺のユーザーによるコンテキストが自動的に生成される。このコンテキストを利用することで同じイベントを楽しみながら、ソーシャルネットワーク上でも情報を交換できる。ビジネスオーナーからすると、その周辺にいる人だけにターゲットを絞った情報を流すことができる。

iPhoneにColorというアプリケーションがある。写真を身近にいる人との間で共有するサービスだ。

Colorでは、同アプリケーションを介して撮影した写真が、近接度に応じて共有される。マシンラーニングに基づく近接度によって、ユーザーのコンタクトリストが作成される。

CNET Japan: iPhoneアプリ「Color」、近接度に応じて写真共有-- Lala創設者が目指すコミュニケーション

Colorは写真というコンテンツだけであったが、テキストも交換できるようにすれば、普段は知り合いでもない人同士でもその場にいるという地理情報をベースにしてコンテキストを共有することができる。

どういうときに便利かというと、先ほどのイベントなどが1つあげられるが、もう1つ災害時の利用も考えられる。

私は4/7に3.11以降最大の余震に仙台で遭遇した。このときのことを以前ブログに書いた(仙台で暗闇に包まれて)が、そこではTwitterなどのソーシャルネットワークが私にはあまり役に立たなかったことを説明した。それは私のソーシャルグラフが仙台に最適化されていなかったためだ。

Twitterは自分のTL、すなわちソーシャルグラフによって得られる情報は左右される。私のソーシャルグラフは東京とシリコンバレーにかなり偏っている。もしくはWeb技術系。仙台や宮城の情報を得られるソーシャルグラフ要素はその夜の段階ではほとんど入っていなかったのだ。

仙台での一夜から学ぶこと

災害時に自分の馴染みでない土地にいた場合でも、地理情報を元にしたアドホックなソーシャルネットワークが構築できたならば、状況は違っただろう。必要な情報を交換しあい、不安を打ち消すことができただろう。

Colorのテキスト版でも悪くはないが、本来ならば普段使っているソーシャルネットワークで地理情報中心としてコンテキストを構築するというモードが用意されていると良い。たとえば、Google+のモバイル版ではサークル以外に「周辺(nearby)」という周辺の人でコメントを共有できる機能がある。これを選択すると、自分が用意したサークルとは関係なく、自分が今いる場所周辺の発言を拾うことができる。Twitterのクライアントなどでも地理情報を使って自分周辺でツィートされたものを拾うことができるものがある。

おそらくほかのソーシャルネットワークにも同様の機能があるだろうが、このように普段使っているソーシャルネットワークの1つのモードとして地理情報を基本とするコンテキストがあると良い。

いずれにしろ、地理情報を中心とするコンテキストもトピックや人を中心としたコンテキストとはまた別の用途があるだろう。