ブログ監視は必要か?

昨夜のワールドビジネスサテライトでネット監視サービスが紹介されていた。ネット監視サービスと言っても、ネットワークトラフィックを監視するのではない。インターネット上の掲示板や個人のブログなどで、企業や自治体に対する良からぬ風評が立っていないかを監視するサービスだ。

番組では佐賀県庁の例が紹介されていた。毎朝、登庁すると、前日にネット上で佐賀県や知事について書き込まれた掲示板やブログなどの一覧を確認していく。削除依頼を出すことはほとんど無いそうだが、間違った情報であった場合には訂正記事を書き込むこともあると言う。また、別の例では、夜中の1:30にネット監視サービス会社のスタッフが掲示板やブログに書き込まれた内容を逐一目で確認していた。ギャル文字を使ったり、行頭の文字を縦に読んだり、また番組では斜めに読んだりする例も紹介していたが、特殊な読まれ方ではじめてそこに隠されたメッセージがわかることもあるので、ソフトウェアでの自動チェックは不可能なのだと言う。

デジタルな世界に書き込まれた内容のアナログチェックだ。

確かに、ネット上での風評がもとで企業価値(自治体価値)が下がることもある。企業や自治体もネット上でどのように語られているかに神経質にならざるを得ないのだろう。

だが、思う。今後ますます増加するであろうブログに対して、このようなアナログでのチェックはどこまで有効だろう。数が増加するだけでない。技術も進歩する。ブログに対してのコメントスパムトラックバックスパムが自動化されていることからもわかるように、多くの掲示板やブログに機械的に悪質なメッセージを大量に投稿することも可能だ。さらに、今はブログにしろ掲示板にしろ、サーバーというセントリックなロケーションベースの技術だが、今後、ファイル交換ソフトウェアと同じように、P2Pで掲示板やブログが構築されるようになることも考えられる。そのような時代になっても、アナログでの監視というのが効率良いものだとは思えない。

やはり私はここにもソフトウェアによる可能性を感じる。現在の評判検索などの技術を使えば、自動的に悪質な書き込みを特定することも可能だろう。IDSやIPSがネットワークトラフィックに対して行っているようなインテリジェントなパターン解析をブログや掲示板に対して応用するようなイメージだ。どうだろう。