監視社会とベターエクスペリエンス

上で書いたように、Google Analyticsの設定をした。Google Analyticsによって、どのようなことができるかを完全にはまだ把握していないが、ざっとヘルプなどを読む限り、サイトを訪れたユーザーの行動特性を把握することができるようだ。どの投稿が興味を持って読まれているかというような単純な解析はもちろんのこと、どのドメインからの訪問者がどのようなカテゴリの投稿を多く読んでいるかなどもわかる。

私は別にこのブログのアクセス数が増えることで何か利益を得るわけではない*1ので、別に訪問者に媚びるような投稿をする必要はない。だが、やはり読んでくれている人の行動パターンが把握できるのはうれしい。おそらくなんだかんだ言っても、解析結果は私の今後の投稿になんらかの影響を与えるだろう(内容や投稿時間など)。

ところで、ユーザーの行動特性により、サービスやコンテンツの内容を変更するというこの機能。これは一種のCRMだ。以前から思っているのだが、オンラインサービスの場合、CRMという名の下に、ユーザーの行動を自由に把握することがなぜかあまり問題視されない。たとえば、オンライン書店で、チェックした書籍を元に推奨書籍を決めることなどは、ごく一般的に行われている。この裏では、そのユーザー個人の趣味嗜好、行動パターンなど多くのセンシティブな情報が取得されている。まともな会社ならば、きちんと利用規約やプライバシーステートメントが用意されているが、いったい何人が実際に内容を確認しているだろうか。多くの一般ユーザーは、このようなオンラインサービスの裏で個人データが取得されていることに対して、ほとんど気にしていないように思える。

さらには、多くのブログや個人サイトなどでも、Google Analyticsやそれ以外のアクセス解析ツールにより、個人の行動パターンというのは簡単に把握できる。これらのサイトにはプライバシーステートメントも何も用意されていないのがほとんどだ。

自分の行動を好きにトラッキングさせることでその分得られる利益も大きい。パーソナライズされたページ、自分の好みを理解した上で商品が提示されるリコメンデーション機能。これらは監視されることで、得られるベータエクスペリエンスだ。われわれは、その裏で何が行われているか、もう少し意識したほうが良いだろう。

なお、私のこのブログでのアクセス解析結果だが、私個人がブログを続ける上で参考にするだけであり、個人を特定できるような形で、それ以外の用途には一切使わないことを念のため書いておく。

*1:今のところ。将来、アフィリエイトなどをはじめるようになったら、また話は別だ。