ネットと文明 第9部 善意と実利

日経新聞の「ネットと文明」の第9部が本日より開始。今回はネット社会を取り巻く善意と実利について取り上げるようだ。

第1回目の本日は、スパムメールの話(スパムメールの多くが、「tv(ツバル)」や「cc(ココス)」などのドメインを使っていた)を枕とし、善意のインフラであったはずのインターネットで実利が優先されつつある現状を嘆く。

 次世代インターネット通信規格「IPv6」を使い、同時生中継できる「マルチキャスト」。沖縄や高知のプロ野球キャンプの様子を七つの放送局などに配信する実験が六日始まった。
<中略>
 IPv6も実用段階に達したが「導入企業はほとんどない」。IPv6普及・高度推進協議会の三菱総研主席研究員、中村秀治(46)はため息をつく。
 新規格の導入には、多くのシステムを変える必要がある。東京大学助教授の中尾彰宏(38)は「電子商取引の普及などでネットは一分でもダウンさせられなくなり、大半の企業はシステム変更を嫌がる」とみる。

IPv6の普及が進まないことを例にあげ、インターネット技術がつぎはぎの状態になっており、抜本的な改良がされていないことを示す。また、通信料が増大しており、設備増強が必要になっていることも指摘する。

1回目の今日は少し話が発散しているようだ。だが、あくまでも善意をベースとするネットインフラとその上でシビアな実利を追求するビジネスという構図を描けてはいる。明日からの展開に期待したい。