Not to Keep but to Improve

守りに入ったらお終いということは良く言われる。僅差でリードしているスポーツ。残り時間わずかな状況でそれを守りきろうとした途端に逆転される。良くある話だ。

最近、「XXX文化を守る」というような話を聞く。本当に後世に受け継ぐべき文化ならば「守る」のではなく「発展させる」べきものだろう。

Googleという会社がある。2年前になるが、創業者2人とCEOが企業文化についてFortuneの取材を受けたときの記事が印象に残っている。Fortuneの毎年恒例の「一番働きたい企業」でトップになったときのインタビュー記事だ。

CNN Money.com: Fortune: 100 Best Companies to Work for: Google wins again

ここで「会社が大きくなっていく中でどのようにしてGoogle文化を維持し続けているか? (How do you maintain Google's culture as the company gets bigger and bigger?)」という質問に対して、創業者の1人であるSergey Brinは次のように答えている。

I actually don't think keeping the culture is a goal. I think improving the culture is. We shouldn't be, like, looking back to our golden years and saying, "Oh, I wish it was the same."

粗訳: 文化を守っていくことが実際にはゴールではない。ゴールは文化を改良していくことだ。良かった時代を振り返って、「あぁ、その時と同じだったら良かったのに」と言うようにはなってはいけない。

ネットだとかデジタルだとかいろいろな面を脅威と感じるのかもしれないが、文化は生き物なんで、守らなきゃ消えてしまうような文化だったら、そもそも消えてしまうようなもんだし、守ることがゴールならばそれこそ国家事業としてやればよくて、それをコマーシャルビジネスとしてやるのが間違っている。

っていうようなことはないのかなーと思ったり思わなかったり。

このブログは及川卓也の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。