加齢による記憶力低下に対する考え方
今年もCROSSで先達に聞くこれからのエンジニア像というセッションに参加した。例年にも増して、言いたい放題の本当に勝手放題してしまったが、今年は放言に加えて、年金だとか終活だとか、参加者を無視した内容になってしまったことは反省している*1。
セッションの中で出た30年前に戻ったら何をしたいかという質問に、私以外の登壇者2名*2は数学とお答えになられていて、「今勉強しても、昔と違って記憶力が悪くなっている。(だから昔にもっと勉強しておけば良かった)」と発言されていた。
セッション内でも言ったのだが、おそらくこれは正しくない。
今も昔も覚えるのは大変なのだ。年を取ったことで記憶できなくなったのではなく、昔も覚えるのには苦労したのだ。
私がそのように指摘したら、「昔から能力が低かったってことですね」と笑われていたが、それはちょっと卑屈すぎる冗談として、昔が良かったと考えることでいろんなことを言い訳にしてしまいがちになる。
今が大変なのは、本当に大変なのであって、昔が良かったからではない。そう考えるだけで、物事への捉え方は変わる。
新しい技術を覚えるのが大変だと感じても、それはその技術の習得が本当に難しいからだ。そう考えたい。
数学の話に戻ろう。
数学の場合は、新しい事柄を学ぶのとは異なる。一度覚えた(はず)のことを再学習するということだ。そのため、本当は、昔覚えていたときの体験と、今の再学習での体験を比較することが可能だ。その上で、「昔のほうが記憶力は良かった」かどうかを判断することができる。
だが、それはおそらく無駄だ。なぜなら、「昔、記憶*3していたかどうか」や「どれだけスムーズに記憶していたか」をあなたはもう覚えていないはずだから ;)