Audibleが最近のお気に入りになった

最近、Audibleが気に入っている。

オーディオブックは以前から知人に勧められたりもしていたのだが、聴きながら他のことをするだろうことを考えると、聴き逃すことが多いだろうと予測して、実際に試すことは無かった。

きっかけは年末年始の課題図書だった。

昨年末、支援先の1つの社内イベントでその会社の役員と対談した。イベントは社員の方々にお勧めの本を紹介し合うというものだったが、役員の方が推薦した本の1つが「サピエンス全史」だった。

サピエンス全史については、このイベント以前にも他の方からお勧めだというのは聞いていた。しかし、上下巻合わせて600ページを超えるというボリュームに圧倒されて、読む機会を逸していた。だが、年末年始。時間はたっぷりある。COVID-19もオミクロン株でまた感染拡大が見えており、旅行に行く予定などがあるわけでもない。自分を追い込むにはベストなタイミングだった。

その役員の方や普段良く打ち合わせをしている社員の方々に約束した。年末年始で完読すると。

さっそく、Kindleで購入し読み始めた。確かに面白い。さすがベストセラーになるだけはあると思ったものの、どうにも冗長に感じた。冗長というのはネガティブな言い方だが、豊富な事例や人類の歴史をまるでその当時に戻ったかのようにイメージ豊かに饒舌に語る様が、ビジネス書を読むように結果を性急に求める自分には合わなかった。少し読んでは飽きてしまい、他のことをやり始める。せっかく時間があるのに、このままでは読み終わらない。

焦りを感じ始めたころ、Amazonが絶妙なタイミングでAudibleを勧めてきた。目と耳から読み進めるという戦略に活路を見出すべく、すぐにAudibleで購入して、読み始めた(聴き始めた)。

Amazon オーディオブック audible

最初はどうなることかと思ったが、思いの外頭に入ってくる。当初心配した通り、ボーッとしていて音声が先に流れてしまっていることも多々あったが、大意を掴むには全く問題ない。もし興味があるなら、Kindleで読むか、音声を聴き逃したところまで戻して、また再生すれば良いのだ。聴き逃しても良いと割り切ることで心が楽になり、とにかく先に進めた。

すると面白い現象が起きてきた。

Audibleを聴くために積極的に散歩やランニング、ドライブをするようになったのだ。

リモートワークが中心になった当初、移動が不要になった浮いた時間を仕事で埋めてしまい、すっかりインプット時間が無くなってしまっていた。しかし、その後、不要だったのは通勤電車での移動という苦痛な体験であり、その時間で行えていた仕事以外の体験、特にインプットは残すべきなことに気づいた。これについては私がダイヤモンド・オンラインで持つ連載でも説明している。

diamond.jp

通勤や移動に相当する時間はしっかりと確保し、そこを自分時間としてインプットに活用する。そう考えてからは積極的に散歩をするように心がけていたのだが、しかし寒い。そんなときにAudibleが自分を部屋から引きずり出すモチベーションとなるものとして登場した。

サピエンス全史を聴くために散歩やランニングやドライブをする。それが楽しみとなり、いつしか日課となり、そして無事聴き終えた。

すると、次の書籍をまた聴きたくなった。タイミング良く、1月下旬からはAudibleがAmazon Primeビデオのように聴き放題サービスとなり、12万冊がその対象となったので、その中から気になるものを次から次へと聴いてみた。Kindle Unlimitedと異なり、聴き途中の本が何冊あっても良いようなので、つまみ食いのように色々と聴いた。中には期待外れだったり、難解で途中で聴くのをやめてしまったものもあるが、結構何冊も聴いた。

実は、もう1つのブログで紹介したデールカーネギーの「人を動かす」もAudibleで聴いたものだ。

takuyaoikawa.blogspot.com

「人を動かす」のような古典的な名作や、ベストセラーになっていたけど、読んでいなかった本など、Audibleで聴いてみるというのも良い体験だった。Kindle Unlimited対象となっていないものもAudibleでは無料で聴けるのも多いようだ。

また、夜、なかなか寝付けない*1ときや夜中に起きてしまったとき*2など、以前は良くないとわかっていても、スマホを覗いてしまい、余計に寝れなくなってしまっていたのだが、最近ではこんなときはAudibleを聴くようにしている。こういう寝付けないときは、柔らかい内容の本にするか、逆に思いっきり難解*3にしている。

このように最近すっかりAudibleにはまっている私ではあるが、たまに「読み」が間違っていたり、わかりにくいものがあるのが気になっている。例えば、リーンスタートアップの本で、「配送」って読んでいるが、これは「デリバリー」とカタカナで読むのが正しいはずだ*4。あと、目次がわかりにくく、本をペラペラめくって、あたりをつけて該当箇所だけ読む(聴く)というのがしにくい。しっかりと内容を把握するには、やはり書籍(電子書籍を含む)との併用が必要と感じている。実際、「人を動かす」はそのようにして、Audibleの後に書籍も購入した。

音声メディアにはPodcastなどを以前から注目していたが、オーディオブックもかなり使えるということがわかり、色んな形でのインプットが可能になった。技術の進歩とメディアの多様化に感謝したい。

*1:これでも悩みがあるときもあるのだ

*2:早朝覚醒とか。もう老人なので

*3:自分の興味とかけ離れたもの

*4:おっと、これはオーディオブックの問題ではなく、元の翻訳の問題か