カンボジアのキリロムに未来を見た

カンボジアにキリロムという場所がある。プノンペンから車で2時間〜3時間ほどかかる場所だが、カンボジアの軽井沢とも言える高級避暑地だ。

vキリロム会議

ここで開かれたvキリロム会議というものに参加してきた。このキリロムにネイチャーリゾートと工科大学を作った日本人起業家がおり、一年ほど前に知り合ったことから今回の会議に招待された。会議は事業や工科大学での教育について広く議論するものだ。今回は、東南アジアを中心にビジネスをしている起業家や教育関係者、メディアや技術者など54名の参加があった。テーマごとのパネルディスカッションを中心に、学生を交えた議論や学生が行っている事業をピッチする場などが用意されていた。

カンボジアという国は内戦により知識層の多くが虐殺された歴史を持つ。そのため、教育が行われてこなかった。人口ピラミッドを見ると、かなりいびつな形となり、同じような発展途上の他国とも異なる事情を持つ。教育や仕事に関する常識が異なると言っても良い。そんな中、ここに設立されたキリロム工科大学はユニークな方針を打ち出している。それは「完全無料の全寮制」という大胆なコンセプトだ。

何故そんなことが可能なのか。リゾートでの企業研修や一般のツーリストからの収益、企業からの奨学金インターンシップとして企業からの受託する事業費などが教育に投資されるというモデルとなる。

style.nikkei.com

resemom.jp

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インターンシップを中心とした教育

インターンシップが教育としても、事業としても核となる。インターンシップで大学やリゾート施設が必要とする技術基盤やサービスを用意することで費用を最小限に抑えられ、学生も実践に即した学びの機会を得られる。これはプロジェクトベースドラーニングと呼ばれる教育だ。大学が必要とするマシンなどは敷地内にあるデータセンターに格納されているが、その管理もすべて学生が行う。デモ動画を見たが、Webベースの管理画面から各コンテナを簡単にデプロイ出来るようになっていた。Wi-Fiも敷地内どこでも利用出来るようになっており、リゾート客向けのスマホアプリもある。

リゾートは様々なタイプの部屋が用意されているが、土管を利用した部屋は学生が作っているという。

バーチャルカンパニーという起業訓練

また、バーチャルカンパニーという仮想企業が大学内に用意されている。実際に利用される開発を行うことで、社会に出て即戦力となる技術力を得ることが出来る。学生が社長(プレジデント)となり、社会人(教師を含む)のメンターのサポートを得ながら、組織と事業の運営、顧客開発とソフトウェアの開発・運用を行う。

この仕組で作られているのは、大学で使われるシステム以外に、ECシステムやERP、IT人材のマッチングシステム、敷地内のセキュリティシステムなどだ。敷地内のセキュリティシステムは敷設されたカメラから送られた画像と映像を解析し、不審者の検出や車のナンバープレートを確認などが可能となる。電源はソーラーパネルから取り、Wi-Fiクラウドと連携する。これは外販を視野に入れている。

大学発ベンチャーという考えは良くあるが、これは大学内ベンチャーであるため、仮想のものではあるが、実際のビジネスも大学を通じて行うことが出来る。結果、厳しいビジネス要求に応える開発を体験することが可能となる。

バーチャルカンパニーを代表とする大学での様々な工夫は、大学が教育とシードアクセラレーターの両方の特徴を持っていることの現れだろう。

学生と大学の実態

このような教育の結果、キリロム工科大学はカンボジア国内では一気にトップの大学となった。国内で行われているコンテストやハッカソンで無敵の存在となり、連勝を続けている。

そんな学生に向け、vキリロム会議の2日目の午前中に講義を行う機会を得た。前日午後に急に言われたので、有り物の資料を慌てて英訳したのだが、一部は日本語のまま説明だけ英語で行った。2日目は日曜日だったのだが、寮に残っていた学生の多くが参加した。

話した内容は、機械学習活用のコツとプロダクト志向の開発、そしてエンジニアとしてキャリアの3つ。1時間ほど話した後に質疑応答を受け付けたのだが、質問が途切れない。30分以上、様々な質問に答えた。講義への集中度も極めて高いものだった。

私は日本の大学でも講義を持つことがあるが、日本のトップ大学にも引けを取らない、もしかしたら日本の大学生の方が少し負けるのではないかとさえ思わせるほどの積極性だった。質問も実に的を射たものだった。会議のクロージングとなるパーティーの場にも来ていて、そこでも次から次に質問攻めにあった。

これは、キリロム工科大学の評判が高くなったため、カンボジアでも優秀な若者が集まるようになったことも理由であろう。英語も私よりも流暢な子も多くいた。英語でのコミュニケーションで困ることは全く無かった。

大学には日本人も10名ほど在籍しており、数名の日本人学生とも話す機会を得た。日本では得られない環境で学ぶ彼らはグローバル人材の卵だ。彼らも、学びへの姿勢が日本人学生のそれとは異なっているように見えた。とても積極的だ。私が帰国してきてからも質問してくた学生も多い。人によって向き不向きはあろうが、海外での教育機会として有力な選択肢となっていく可能性もある。

日本人学生のインタビューや大学の紹介はキリロム工科大学のYouTubeチャンネルにある動画を見て欲しい。

www.youtube.com

キリロムの未来と日本の未来

カンボジアは現在でも生活水準は極めて低く、政治にも問題は多い。しかし、希望がある。収入も毎年2倍や3倍の向上が期待出来る。

幸せというのは今現在の絶対値ではなく、未来への期待の相対値だ。希望は今の環境ではなく、未来への期待に依る。

カンボジアと日本の若者を見たときに、どちらが幸せなのだろうと考えてしまったが、それは与えられた環境によってすべて決まるものではなく、その環境の選択も含め、自らの期待とそれに向けての努力によって決まる、いや決めるものではないのかと思った。キリロム工科大学で学ぶことを決めた日本人学生は自らの意思で決めている。

キリロム工科大学のカリキュラムも今がベストとは限らない。変わらずに変わり続けることで常に自らの可能性を追求する。そのためには、教育内容も常に見直し続ける必要があろう。

完全無料で教育機会を与えるという非常識なこの事業がこのまま継続できる保証は無いかもしれないが、この未来が見通せない、閉塞感が漂う世界の中で、自ら未来を切り開いていくこの挑戦から学べることは多いだろう。

中国の近未来感あるホテル(スマートホテル)

ここ最近、中国関係の仕事が増えていて、1/10(木)〜1/11(金)に上海〜蘇州〜常州に行っていた。たまたま現地の人が手配してくれたホテルが近未来感あったので、紹介しておこう。

ホテルは常州美豪丽致。英語もあまり通じないし、支払いも国際クレジットカードは使えなかったりと、外国人にはなかなか敷居が高い。今回は同行した会社の人や現地の人に助けてもらったが、一人だとちょっと覚悟が必要かもしれない。

ただ、そこさえクリアすると、廊下からして近未来的。

 

各部屋の表示は電子的。客室内からDo Not Disturbのボタンを押すと、ここに表示される。

洗面所の鏡にもライトが組み込まれている。この写真の赤いボタンを押すと電気が点く。

 


美豪丽致ホテルのライト付き鏡

 

何よりも面白かったのが、客室の多くの操作を音声で行えるようになっていること。

自分は中国語が話せないので、Google翻訳を介して使ってみた。動画でははっきりとわからないかもしれないが、客室内のライトを点灯させている。


美豪丽致のスマートホテル

凄いのが、マニュアルでの操作を極力廃しているところだ。例えば、客室には常備されているテレビもこんな感じだ。テレビではなく、プロジェクターから投影する形となっている。

他にもカーテンやドアの開け締めが音声で行える。

音声だけではなく、Wechatのミニプログラムからもコントロールできる。案内に書かれていたQRコードはWechat用だ。

音声アシスタントでの操作が必要かとか便利かと聞かれると、そんなことは無いし、私のような外国人にはむしろ不便だったりするのだが、テクノロジー好きとしては良い経験だった。

調べてみたら、日本でもスマートスピーカーを導入しているホテルは出始めているようだ。

robotstart.info

また、AmazonはAlexaをホテル向けに提供開始していた。

jp.techcrunch.com

上海訪問レポート 2018年冬

金曜日(12/21)から2泊3日の旅程で上海に行っていた。先月に深センへ行ったときの模様もレポートにしたが、今回もその深センとの違いなども含めてレポートする。

 

takoratta.hatenablog.com


交通

まず、2泊3日の滞在期間中、自分が利用もしくは観察できた交通機関について記す。

タクシー

タクシーは以前からの中国のタクシーのイメージに近いタクシーだった。と言ってもわからないかもしれないが、以前に私が中国に来たときは、運転席が後部座席から鉄格子で分離されているものが多かった。今回の上海は鉄格子は見当たらなかったものの、透明樹脂のシールドで囲われていた。深センではこのようなものは見なかった。

また、深センでは、運転席のコックピットに運転手のQRコードが表示され、レーティングできるようになっていた(タクシー運転手のレーティングを参照)が、上海ではそのようなことも無かった。ただし、WeChat PayやAlipayというQRコード決済が利用できるところは同じだった。

地下鉄

地下鉄は、深センではQRコード決済で乗車券を買えるようになっていたり、WeChatミニプログラムでそのまま改札を通過できたりした。上海でも同じかと思ったのだが、試すことが出来なかった。

駅では、上海では出来ないのだと諦めてしまっていたのだが、どうやらそうでは無かったようだ。それは後から知った。

まず、券売機はこんな感じだった。

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券売機の列

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券売機。良く見ると、右上にAlipayの表示がある。

深センの券売機はわかりやすくQRコード決済での支払い方法を示していたのだが、上海のこの券売機は金銭での支払いを基本としているようだ。右上のAlipayの表示は後から写真を見直して気づいた。しかし、未だにいつの段階でQRコードを読み込ませることが出来たのか良くわからない。

改札は次の写真のようにQRコードで通過することが可能だが、肝心のアプリをどこから入手するのかの説明は、少なくとも我々が見た範囲では駅構内で見つけることは出来なかった。

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上海の地下鉄駅の改札

後から、地下鉄のアプリは深センの地下鉄と同じWeChatミニプログラムで、地域を上海に選択することで使えそうなことがわかった。

全体的に、上海でも深センと同じことは実現されているようなのだが、あまりITでのサービスを前面に出していないように感じた。QRコード決済で乗車券が買えることを前面に出していない券売機だったり、その券売機でも実際には買えるのだが、説明が目立つところに書かれていない。QRコードで通過できる改札であっても、そのアプリの入手先を示していない。深センでは、交通機関のものに限らず、あちらこちらにもっと目立つ形でWeChatミニプログラムやスマートフォンアプリへの導線となるQRコードが用意されていた。

シェア自転車

自転車のシェアリングは上海でもMobikeが一番目立っていた。ofoは私が深センに行った後にも、さらに状況が良くないと伝えられているが、台数はMobikeに比べると少ないものの、それでもまだ普通に利用されていた。深センでは、ofoの墓場かと思われるように、雑にofoが放置されている場所を多く見かけたが、上海ではそんなことは無かった。このシェア自転車の整理はofoに限らず、他の事業者の自転車についても言え、上海ではどこでも綺麗に整理されていた。これは、上海市民のマナーが良いのか、事業者の努力が追いついているのか、どちらかだろう。想像だが、深センほど利用されていないため、事業者の努力が追いついているのではないかと思う。

 

写真から、オレンジのMobikeと黄色のofo以外の自転車も見つけられると思うが、この2社以外の事業者の自転車も見かけた。水色はHellobikeで、赤と白のは99単車。

 

thebridge.jp

www.shanghainavi.com

飲食店

今回は、ラッキンコーヒーとフーマーフレッシュ(盒馬鮮生)のロボットレストランに行ってみた。

ラッキンコーヒー

ラッキンコーヒーは今年1月に創業したばかりだが、すでに「北京、上海、広州、西安、青島を含む21都市で1,400以上の店舗を展開し、中国で2番目に大きいチェーンコーヒーブランドへと発展」している(10月24日現在/luckin coffee より)。

www.newsweekjapan.jp

成長の秘密はスマートフォンアプリからのオーダーからコーヒーを受け取るまでの体験の良さとデリバリーの手軽さだろう。

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ラッキンコーヒーの店舗

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ラッキンコーヒーの店内

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Luckin Coffeeアプリ

スマートフォンアプリでのオーダーは通常のECサイトなどでの注文と変わらない。商品を選びカートに入れたら、決済へと進む。WeChat PayやAlipayなどが使える。オーダーを完了すると、画面に完成時間が示される。制作中になると、画面も変化し、作られている様子を伺い知ることができる。完成したら、画面に表示されたQRコードをスキャンさせることで商品を受け取れる。

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Luckin Coffeeのカップ

ドリンクカップは特に変わりはない。

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ただ、蓋には工夫がある。まず質感が良い。そして、この微妙な傾斜が飲みやすさを演出する。また、少し尖った飲み口が、「乳首を吸う感じに近く、それが安心感を生み出している」(同行者談)らしい*1。さらに、飲み口の栓は飲んでいる最中は対角方向に用意された栓置き場に固定しておくことが出来る。これらの細かい気配りが妙に嬉しく、全体としての体験を向上させる。

店舗としては、普通のおしゃれなカフェとしか感じないし、土曜日の午前中だったからか、あまり客もおらず閑散としている。ただ、デリバリーはひっきりなしに注文が入っているのか、バイク運転手が列をなしていることも多かった。

ロボットレストラン

 深センレポートでも紹介した盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)は上海にロボットレストランを出している。今回はそちらに行ってみた。

正式名称はROBOT.HE 機器人餐庁と言う。

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フーマーフレッシュのロボットレストラン

まず、入店するには、フーマーフレッシュのアプリが必要だ。アプリを店員に見せ、テーブルを指定してもらうか、店舗横にある端末にアプリで表示されるQRコードをスキャンさせることでテーブルを指定してもらう。いずれかの方法でアプリとテーブルが紐づけされる。

なお、フーマーフレッシュはアリババの傘下なので、Alipayアカウントが持っていると、自動的にフーマーフレッシュのアカウントはそれと連携することになる。

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フーマーフレッシュアプリでの操作

アプリからオーダーすると、調理された食事がロボットに乗ってやってくる。ロボットと言っても、ルンバのような形状のロボットが食事を載せ、店舗内の決まった通路の上を走ってくるだけである。R2D2のようなものが人間と同じ通路を縦横無尽に動き回るわけではない。

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ロボットレストランのロボット用通路

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ロボットレストランのロボット用通路

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ロボットレストランのロボット待機場

テーブルには、日本の居酒屋にあるようなオーダー端末がある。オーダーは自分のスマートフォンアプリから行うので、これでは注文状況などが表示される。

 

ロボットショーというメニューがあったので、それを選択すると、パックマンのような画面が表示される。これは、現在のロボットの位置をフロアレイアウト上に表示するものだ。

次の動画では、ロボット一台が動作しだしたことが画面からわかり、それが実際に通路を移動している様子も見て取れる。

 


ROBOT.HE 機器人餐庁


ここまで書いたところで白状すると、実は我々は注文することが出来なかった。中国国内の銀行口座を持っていないと完全な本人確認は終わっていないというステータスになっているようで、このフーマーフレッシュアプリ以外でも、最後まで行くと、銀行口座(バンクカード)番号を入力せよと言われることがあったのだが、今回もそこでひっかかった。なので、残念ながら、最後までは体験できていない。

なお、以下の記事にも詳しく紹介されているので、こちらも参照して欲しい。

flymedia.co.jp

日本のくら寿司みたいだとも思うが、くら寿司よりも汎用性はあり、エンターテイメント性も高い。ロボットの部分だけ見てもそうだが、アプリからオーダーし、決済まで済ませてしまえる利点は大きい。これにより、フロアには入店時のサポートをする店員と食後の後片付けをする店員しかいない。効率性は極めて高い。

オレンジ生搾りジュース販売機(番外編)

深センでも見かけたのだが、自動販売機型のオレンジ生搾りジュース販売機がある。

一杯15元(約240円)で販売されている。

QRコード決済か現金で料金を支払うと、オレンジが4個ほど自動投入されて作られる。絞られている様子は外からは残念ながら見えない。

 


オレンジ生搾りジュース販売機(中国)

 

ストローは1つずつ、下の写真の取り出し口から取ることが出来る。買わないとストローが排出されないようになっている。

なかなか美味しかった。15元というのは安くはないが、搾りたてが飲めるのは嬉しいのかもしれない。中国各地にあるらしいので、人気なのだろうか。

まとめ

深センで私が体験したことは、実は他の中国の都市でも一般的だと言われた。特に、QRコード決済などはかなり辺境の土地でも実現できていることだと教えられた。確かに、今回上海に来てみて、それは実際に感じた。ただ、深センは、ITの活用をより前面にアピールしていると感じた。上にも書いたように、交通機関でのQRコード決済やアプリ利用も実はできたようだが、その場ではわからなかった。深センでは、いたるところに案内があり、嫌でも目についた。深センでは不動産屋に社員の顔写真とともにQRコードが付けられていたが、あれは恐らくその社員の実績とレーティングに誘導されるのではなかったかと思う。深センではそこまで貪欲にQRコードを活用していた。隙あらば、何かITを活用できないか、QRコードと連動させたらどうなるかを考えているように感じる。

私が上海を前回訪れたのは、上海国際万博が行われていた2010年なので、もう8年前にもなる。その時でさえ、上海の国際都市ぶりに驚き、黄浦江の夜景の素晴らしさに息を呑んだ。今回、その同じ黄浦江をまた訪れたが、そこで見つけたのは、深センの市民広場のLEDを使ったプロジェクションマッピングのようにビルを電飾で彩る街だった。

川の向こう側にこのような電飾がある一方、古くからの歴史建築群は8年前と変わらない。

朝にホテルの周りを少し走ったが、そこにも以前からの中国の街があった。太極拳らしき体操を仲間と行っている老人たちもいた。

圧倒的な国土の広さ、人の多さ、活気、歴史と技術。これらがカオティックに混在するのが今の中国だ思う。

深セン訪問レポート 2018年秋

 

11/20〜23まで香港経由で深セン(深圳)に行ってきたので、その備忘録。これをもって、深センが凄いとか、いや日本の方が優れているとか言うつもりは無い。

行きは香港経由。

番外編

いきなり番外編となるが、香港へ向かう機内で今回の深セン行きに同行してくれた秋吉理学氏*1 から次のような刺激的な話を聞く(注:いずれも深センの話ではない)。写真は氏撮影のものをお借りした。

中国高鉄の駅弁

中国の高速鉄道では駅弁をスマホからオーダーでき、車内まで持ってきて貰える。路線の途中駅の到着時刻がわかるので、どの駅で駅弁を受け取りたいかを選択し、その後、その駅にある店を選択。弁当を選び、注文すると、その駅に着くのに合わせて弁当が用意されていて(なので温かい)、車内販売の担当者に受け渡される。ワゴンに乗せて席まで持ってきてくれるので、取りに行く必要もない。受取人の携帯電話番号や名前で本人確認ができると引き渡される。

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このように届けられる。

ユースホステルのインターネット洗濯機

ユースホステルで管理人のおばさんに洗濯機使いたいと言ったところ、アプリから操作しろと言われる。後述する、WeChatのミニプログラムを起動して操作する。

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WeChatのミニプログラムからQRコードを読み込むことで、洗濯機の操作や支払いができる。

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この洗濯機は学校の寮のようなところに置くために作られた製品のようだ。家庭用を改造品とか特殊な製品というわけではない。Mideaという中国の大手メーカーの製品で、WeChatミニプログラムはU净洗衣という名前だった。

初日(香港〜深セン

Advanced Meal Delivery Service

香港空港からはフェリーで深センに向かったが、時間があったので、一粥面 Super Superでお粥を食べる。ここはカウンターで先に料金を払う。WeChat PayやAlipayでも払えるのだが、中国国外では中国人以外は使えない*2ので、秋吉氏の持つOctopusで払おうとしたが、残高が足りず、残念ながら現金で払う。旅行中、現金を出来るだけ使わないようにしようと目論んでいたが、早くも崩れる。

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通常、カウンターで料金を払うタイプの店だと、料理が出来上がったときに、取りに来るように呼ばれる。そのために、ハンディブザーのようなデバイスを渡されることも多いが、この店では、食べるテーブルを選んで、そこにカウンターで渡されたデバイスを置くことで、自動的に店員にその料理をどこに運べば良いか伝わるようになっている。

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このように渡されたデバイスをテーブルの所定の位置に置くだけで、しばらくすると店員が料理を持ってきてくれる。

深セン蛇口港フェリーターミナルからホテルまでは通常のタクシーを使う。白タクの勧誘を断りながら、タクシー乗り場に向かうと、EV車が連なっていた。後で聞くところによると、深センは中国でもタクシーのEV化率が最も高く、90%ほどになっているそうだ。

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ちなみに、ナンバープレートが緑なのがEV車で、それ以外は青。

タクシー運転手のレーティング

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タクシー車内のコックピットにはドライバーの情報とレーティングを行うことが出来るQRコードが入れ替わりで表示されている。

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今回、8年ぶりに中国に来たのだが、タクシー運転手のマナーもかなり良くなっていた。聞いていたように、このような評価システムが社会マナーを向上させているのだろうか。

ちなみに、帰りにもホテルから福田の高速鉄道駅までタクシーに乗ったのだが、そのタクシーの運転手は姑息にも、QRコードを読めないようにしていた。

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支払いはWeChat Payで。

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初日はホテルまでの移動で終了。

2日目(深セン

2日目は、朝食をケンタッキーフライドチキン(KFC)で食べて、通話/SMS用のSIMを入手して、華強北の電子街に寄り、盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)や城中村*3である崗廈村を見たり、カルフール(家乐福)に寄ったりした。

なお、華強北の電子街については、山ほどのレポートが存在するし、そんなに長くはいなかったこともあり、ここではカバーしない。

KFC

中国のKFCではお粥が食べられるらしいというので行ってみた。朝限定かも。秋吉氏によると、今ではマクドナルドでも食べられるらしい。マクドナルドは当初頑なに拒んでいたが、KFCなどで出すお粥が好評だったこともあり、真似したらしい。 

WeChatミニプログラムというWeChatの上で動作するアプリケーションをインストールし、そこから操作する。

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WeChatミニプログラムから注文を終えると、発行される番号で呼ばれる。店内のサインボードに表示されるので、取りに行く。

 

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米国などにもあるキオスク端末からのオーダーも可能。

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地下鉄

深センの地下鉄もWeChatミニプログラムで乗ることが出来る。区間を指定して乗車券を購入する。

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ただ、残念ながら、私は乗車券の購入まで進むことが出来なかった。実は、WeChat Payをフルに利用するには、本人認証が必要で、そのために中国の銀行口座を持っていないとダメだった。過去にはクレジットカードでも大丈夫だったという話もあるようだし、人によって? 状況によって? は本人認証出来たという話も聞いたが、私の場合はダメだった。この地下鉄のミニプログラムも本人認証が必要だった。

同行している秋吉氏はこれとは別のいきなり地下鉄に乗るアプリを使った。区間の指定は必要ない。入り口と出口でそれぞれQRコードをスキャンする。

 

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私はWeChat Payのミニプログラムは使えなかったので、券売機で乗車券(トークン)を買う。

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QRコードでの支払いが可能な券売機がある。

 

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現金かQRコードのいずれかの支払いが可能。

 

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表示されるQRコードをWeChat PayかAlipayで読み取って支払う。

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発行されるトークンを用いて改札を通る。入るときは、これを指定の位置にかざす。出るときはトークン入れがあるので、その中に投入。

このアプリとトークン以外に、日本での交通ICカードのようなカードも用意されている。

WeChatミニプログラムでの乗車は便利そうには思うものの、いちいち改札でアプリを立ち上げるのは面倒ではないかと思った。現地の人に、通勤でもこのアプリで改札を通るのかと聞いてみたところ、そうだとの回答。しかし、にわかには信じられなかったので、翌日通勤時間に改札付近を観察してみた。やはり半数ほどはカードを用いていた。動画の中で改札前で止まっている人の多くはアプリ操作しているため。


深セン地下鉄通勤時間帯の改札の様子

QRコード

QRコードはこの旅行中にあらゆるところで見た。多くは、WeChatのアカウントへと誘導されるもの。これは日本でLINEアカウントを友達登録してくれというのと同じだが、WeChatミニプログラムへと誘導させるものも多数あった。

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例えばこれは、地下鉄の駅へと向かう通路に掲示してあったQRコードだが、真ん中が専用アプリで、両隣の2つがWeChatのミニプログラム。

www.catapultsuplex.com

www.clips-web.co.jp

デリバリーサービス

中国にもUber Eatsのようなサービスがある。大手が2社ほどあるようだが、どちらも町中で良く見た。青い饿了么(ウーラマ)と、黄色い美団外売。

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japan.cnet.com

Mobike

深センでは、自転車のシェアリングサービスとしては、Mobikeとofoが二強のようだ。オレンジのMobikeと黄色のofo。ofoは経営難が伝えられているものの、深センではまだ多くの利用があった。ただ、そこかしこにofoの墓場みたいになっている場所があり、確かに心配になった。現地の人もここはもうすぐ潰れると言っていた。

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ofoの墓場

forbesjapan.com

また、Mobikeやofoの登場前は公共の自転車貸出があったようだが、今はあまり利用されていない。駐輪スペースだけが目立つ場所も多かった。

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市民じゃないと使えないような話も聞いた。

 

今回はMobikeを利用した。使い方は一般的な自転車のシェアリングサービスと同じ。スマホアプリを利用する。

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Mobikeの自転車を見つけ、状態を確認する。その後はスマホアプリの操作。

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ロック(施錠)は物理的に行う。

スマホアプリの出来は良さそうだった。一度、アプリからの解錠がうまく動作しなかったら、それもアプリ上で対処法(手で解錠しろというものだったが)が指示された。

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盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)

フーマー・フレッシュはアリババが作ったスーパーマーケットだ。ECサイトの倉庫をリアル店舗としても公開し、一般客(会員登録が必要)も買い物できるようにしたものだ。

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店舗の天井付近には、スタッフがECのユーザーが注文した品物を詰めたバッグが運ばれるレールが張り巡らされており、スタッフが端末に送られる指示に従って、買い物客に混じって、品物をピックアップしている。

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店外には、配送用スタッフが大量に待機しており、レールに運ばれた品物をユーザーの元に送り届ける。

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店舗での買い物客はスマホアプリと連動したセルフレジで会計を行う。

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深センの盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)

 


深センの盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)360°動画

note.mu

カルフール(家乐福)

外資スーパーマーケットのカルフール深センに店舗を持っている。そちらにも行ってみた。

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アプリで出来ることが案内されている。

 

簡単に言うと、スマホバーコードリーダーとして使い、専用のセルフレジ無しでも料金の精算を可能とするものだ。買い物かごに入れるたびにアプリでバーコードをスキャンし、すべての商品を買い終わったら、アプリで支払いを終え、そのまま専用の出口に向かうということが可能となる。

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アプリで精算した後に示されるQRコードをこの専用のキオスク端末にかざすと、品物と価格が再度端末に示される。これを店員に確認して貰った後に店外に出る。

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ただ、私の場合は、店員がこの場におらず、他の店員だと確認作業を行えないようで、結局、このアプリで買い物を完了することは出来なかった。また、実際に店員が確認するとしても、品物の点数が多かった場合など、店員が自分でバーコードをスキャンするのと同じくらいの手間がかかるのではないかと疑問は残った。恐らく、このアプリを利用して買い物をするのは、点数を絞るなどの制約を設ける必要があると思う。

城中村

城中村とは「都市の中の村」という意味だ。発展している都市だけでなく、昔ながらの中国がどのようになっているかを見てみた。崗廈村を訪れた。

ざっくりと言うと、古い町並みにある庶民的な店舗でもQRコード決済を使える。

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これはオフィス街にある屋台でも同じ。

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QRコード決済には2種類あり、個人間決済とQRコードリーダーを置いて行う決済だ。

上の2つの写真にあるようにQRコードが店舗に貼られているものは、個人間決済の形態で行われるもので、料金支払いの際には、AlipayかWeChat PayでQRコードをスキャンし、価格を自分で打ち込み、支払う。支払い完了の画面を店員に見せることで買い物が完了する。多くの場合は、店員側のスマホに通知されるので、店員はそれを見ても確認出来る。

一方、QRコードリーダーが置かれている場合は、AlipayやWeChat Payで自分のウォレットでQRコードを表示し、それをリーダーにかざす。

前者は手数料が発生せず、後者はアリババやテンセントに手数料が発生する。

Didi(滴滴快车)

食事の後、中国版Uberとも言えるDidiに乗ってみた。

操作はUberLyftシンガポールのGrabと同じ。ただ、Didiの場合はほぼ必ず電話で確認が入る。そのため中国語が使えないと厳しい。

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c-study.net

3日目(深セン

3日目は、バイドゥとテンセントを訪問。こちらはオフィス内の撮影が禁止されていたので、外見だけ。

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バイドゥとテンセント、どちらのビルも大変豪華だった。バイドゥは本社が北京なので、深センのオフィスはこじんまりとしているらしいが、テンセントは深センが本社なので、極めて豪華。グーグルのオフィスには詳しいが、それよりも豪華さでは上を行っている(それが良いかどうかは別)。映画で経済的に大成功を収めた企業が豪華な社屋を持つ話など出てくるが、まさにそれだった。例えば、どちらのビルも1フロア全部を使ったトラック(社員がウォーキングやランニングを行える)があったし、もちろんジムもある。テンセントのジムは1フロアのかなりの部分を占めているほど。ちなみに、このテンセントのビルの1フロアは六本木ヒルズのそれよりも遥かに広い。

バッテリー貸出

ところで、2日目から街のあらゆるところにバッテリーを貸し出すキオスクがあることに気づいていたので、3日目に秋吉氏が借りてみることとした。

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ANKERBOXと書かれていることからもわかるように、モバイルバッテリーなどで有名なAnkerが運営している。

貸し出し操作はWeChatミニプログラムとして提供されているアプリから行う。

アプリを立ち上げると、以下のようにiPhoneAndroidかTYPE-Cかを聞かれる。このときは、Android用とTYPE-Cが充電中でだったので、グレイアウトしている。この後、料金の確認などを行った後、バッテリーがBOXから出てくる。

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取り出すとこんな感じ。

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コネクタは汎用性ある形となっている。

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返却時は、アプリ側から返すスロットが指定されて、ランプが点滅するのでそこに入れる。

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返すのは、空いているスロットに挿入するだけ。

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秋吉氏はこれを使えるとわかるようになってからは、モバイルバッテリーを持ち歩かず、充電が必要になったら、このANKERBOXを探すようになった。料金は1時間1元(約17円)。通常はデポジットが必要であるが、氏は芝麻信用が高かったため不要だった。

jp.techcrunch.com

日本にも充レンというサービスがあるようだが、それと同じ。

本屋

以前、マイクロソフトやグーグルに勤めていたときに東アジア諸国に出張する機会があると、本屋に行くようにしていた。どんな技術を現地の技術者が学んでいるのか知りたかったし、洋書がどのくらい翻訳されているかなども知りたかったからだ。

その頃の私の印象は、日本に比べると洋書が翻訳されるのも少なく、現地語で執筆されているものも少なかったので、技術者は洋書を原語で読まざるを得なく、それが故に日本よりも英語に対する拒否反応が低いというものだった(これも私の個人の感想であり、真実はわからない)。これが10年前ほど。

今回、深圳書城中心城というかなり巨大な書店を覗いてみた。そこには大量の技術書があった。

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洋書がどのくらい翻訳されているかを知るには、オライリー本を見るのが速いが、かなりの書籍が翻訳されていた。また、ざっと見た感じ、現地の人が書いた書籍もかなり多い。日本語の書籍よりも圧倒的に多いように感じた。

下の写真は機械学習系の書籍。この棚が数個分あった。

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市民中心のLEDショー

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深センに行く数日前にTwitterでバズっていた(帰ってきたら、さらに別のツイートもバズっていた。同じころに深センにいた人がツイートした模様)市民中心で行われているLEDショーを見に行った。実は、あれがLEDだとは知らないで行って、いったいどういう仕組みかと考えてしまっていた。ただひたすら美しかった。


深セン市民中心のライトアップショー


深セン市民中心のライトアップショー 360°

 

 

nlab.itmedia.co.jp

led.led-tokyo.co.jp

4日目(深セン〜香港)

4日目は深センを離れ、再び香港へ。そこで某社の人と情報交換のミーティングを持ち、帰国。香港へは中国高鉄(新幹線)で。わずか15分ほどで深セン福田駅から香港まで着く。

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www.jiji.com


香港ではOcotpus(八達通) を購入。前述の通り、中国本土以外ではAlipayもWeChat Payも使えない*4ので、香港ではこれを使う。

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例えば、深センではAlipayやWeChat Payで支払いが可能だった、マクドナルドでもOctopusを用いて支払う。使い勝手は日本の交通ICカードと同じ。

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最後に見た香港の夜景もやけに華やかだった。

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雑な感想

冒頭で述べたように、今の段階で中国が凄いとか日本の方が便利などと総括する気はないし、まだ咀嚼する時間が必要だ。現段階での、ざっくりとした感想は以下の通り。

  •  WeChat Payはコミュニケーションを抑えたWeChatと連携しているところが強い。WeChatミニプログラムにより、さらにそれを盤石にしている感じ。
  • 深センは40年前から都市化が始まった。ここ数年の発展はさらに加速しているようで、5〜6年前ほどから深センを訪れている人からしても、そのスピードにはびっくりしているそうだ。
  • 深センの平均年齢は大変若い。実際に歩いていても若い人が多いと感じる。
  • 平均年収も高く、中国一と聞く。
  • 中国人はすぐに文句を言うが、それは逆に捉えると、課題がすぐに明確になることを意味する。アプリやサービスを立ち上げて、ユーザーから課題が明示されるのは強い。
  • QRコード決済は、アプリを立ち上げて、QRコードを表示したり、QRコードをスキャンするのは正直手間に感じたことも多かった。特に、スマホSuicaに比べると手間だ。ただ、一方、Suicaは使えない店舗も多い中、ほぼすべてのところで使えるQRコード決済はやはり便利だった。導入コストが低いというメリットはこういう形で現れるのだと思った。地下鉄の改札で、アプリを開くために立ち止まっている人も多くいたが、東京では改札で用いるのは厳しいだろう。中国では鉄道を利用するために、空港のようなセキュリティチェックがあるため、人々は改札を通過するために時間がかかることを許容していると思われる。
  • 個人の信用がスコア化される信用経済は息苦しくないのかと思ったが、現地の人は自分が評価されていることを対して気にしていないと言っていた。これが多くの人の共通した意識かはわからない。

ここで書いたことの多くは、すでに日本でもネットで話題になっているものだったり、メディアにより記事化されているものだ。だが、現地現物ということで今回実際にこの目で見て良かったと思う。

いろんな思いがあるが、少なくとも楽しかった。近い内にまた行きたい。

*1:大連に1年ほど住んだことがあり、今でも年に数回中国に行くほど

*2:中国人として登録しているユーザーで無いと使えないようになっている。

*3:都市の中の村という意味

*4:国外では、中国の身分証で本人確認されたものだけが利用できる。我々は日本国発行のパスポートなので本土以外では使えない。

Living Computer Museum

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シアトルのセーフコ・フィールド近くにLiving Computer Museumという博物館がある。1960年代から今に至るまでのコンピューター技術をハンズオンで体験できる施設で、つい先日亡くなったPaul Allenが設立したものだ。

コンピューターの歴史を知ることができると言えば、シリコンバレーにあるComputer History Museumが良く知られているが、このLiving Computer Museum(正式名称は、Living Computer Museum + Labsで略して、LCM+Lと呼ばれるようだ)もその内容は引けを取らなかった。

takoratta.hatenablog.com

1階は今日の技術を中心に、2階はメインフレーム時代から今に至るまでを展示。Computer Hisotory Museumとの大きな違いは、こちらは実際に触れるものが多数あること。

例えば、パンチカードを自分で作ってみることもできる。

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(動画はこちら

で、出来上がったのが、これ。

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サンノゼThe Techという体験しながら技術を学べる施設があるが、LCM+LはComputer History MuseumとThe Techのコンピューター技術の部分を融合した感じだ。

1階で体験できるものには、VR、AI、自動運転*1、そしてちょうど70年代後半から80年代にかけて、高校のコンピュータークラブがあったらこんな感じだろうなというのを再現した教室など。

2階には、ミニコンからパソコン、そしてPDAまで展示*2され、そして別室にメインフレームが鎮座。ちょうど80年代や90年代の「電算室」がそうであったように、エアコンが効いた部屋に集約されている*3

シアトルには、AmazonMicrosoft訪問で訪れる人も多いと思うが、その途中にでも是非寄って見て欲しい。

RIP Paul Allen

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*1:シミュレーターがあるのだが、酔ってしまい、最後まで体験はできなかった

*2:触れるものも多い。パンチカードもその1つ

*3:昔はデータセンターという別の建物よりも同じ建物内に部屋が確保されていたことがほとんど