RC5/DES Cracking Challenge

昨日の「暗号輸出規制の思い出」を書いた後に思い出したのだが、当時、RSAがDESの56ビット鍵長では脆弱なことを証明するために、クラッキングコンテストを行っていた。DES Challengeと呼ばれていた。

これに世界中のマシンで分散して解析計算をさせることを組織化したのが、Distributed.netだ。個人またはチームでグループとなって分散された計算を行い、その結果を競うもので、一種のゲームのような感覚を楽しみながら*1、暗号の輸出規制緩和もしくは撤廃を求めることができた。

私はこれにJWNTUGという今は無くなってしまったWindows NTのユーザー会の有志の1人として参加していた。この団体、残念ながら、今はホームページも無くなってしまったのだが、Web Archiveから一部を見ることができる(Feeling Your NTBOX Secure Now? - Team JWNTUG RC5 Cracking Challenge*2。タイトルがRC5となっているが、Distributed.netではいくつかのDES ChallengeとRC5のクラッキングコンテストを行ったため、このようなタイトルとなっている。

ここでTeam JWNTUGの参加理由について以下のように述べられている。

全世界のユーザが平等にその恩恵を受けることの妨げになっているのが輸出規制に他ならず、米国政府にこうした規制を緩和させ、よりbit長の長い暗号キーを輸出できるよう認めさせるために、RSA は暗号キーの解読コンテストを主催しています。暗号を破ることによりアルゴリズムが安全でないことを証明するわけです。この解読コンテストにJWNTUGも一昨年の10月16日より参加しています。

http://web.archive.org/web/20010628022441/www.jwntug.or.jp/rc5/intro-j.html

Team JWNTUGに参加したメンバーの多くは、比較的多くのパワーのあるマシンを大量投入することができたため、国内1位を達成したこともあった*3。こういうときのメンバーの結束は固く、メタルプレートも配布されていた。私もいくつかもらい、自宅のPCに貼り付けたものだ。

というようなことも、またふと思い出した。

*1:さらには無事クラッキングに成功したものには賞金も用意されていた

*2:文字エンコーディングをShift JISにする必要がある

*3:常に抜き抜かれつの状況ではあったが