IPv6統計データ

5月中旬の総務省の研究会で、Googleは次のように報告した。

 IPv6 Statisticsでは、国別の比率も世界地図で色分け表示している(以下の数字は、いずれも記事執筆時点のもの)。これによれば、導入率が最も高いフランスが4.68%、次いでルーマニアが2.97%でそれぞれ緑色で表示されている。他は、例えば米国で0.77%、中国で0.54%など、各国ともまだそれほど導入が進んでいるわけではないことがわかる。

 一方、日本は1.55%で、オレンジ色の表示。これは、IPv6接続ユーザーが比較的多いが、同時に、IPv6サイトへの接続で遅延や信頼性の面で問題ありと判定された国だ。問題があるものの、IPv6接続が少ないということで赤色になっている国は南米などを中心にいくつかあるが、オレンジ色は日本だけだ。

6.6年以内に半数以上がIPv6に、Googleが「正常動作するIPv6」の必要性訴える -INTERNET Watchより)

World IPv6 Launchの後、2ヶ月少し経過したが、現時点での導入率は次のようになっている。

ルーマニア: 8.08% (+5.11%)
フランス: 4.36% (-0.32%)
日本: 1.63% (+0.08%)
米国: 1.33% (+0.56%)

IPv6 - Google

日本やフランスがほぼ横ばい、ルーマニアが激増、米国が微増というところだ。

Google以外からの統計データとしては、http://eggert.org/meter/ipv6" title="Lars Eggert - IPv6 Deployment Trends"もある。

こちらは、主要なサイトのDNSのエントリーを確認することにより、もしユーザーにIPv6接続環境があったら、どのくらいそれが便利かという観点から統計を取ったものだ。主要なサイトかどうかのデータはalexaから取っている。

If an average user had a working installation of IPv6 on their machine, how useful would it be to them? What percentage of the services and sites the average user regularly accesses are IPv6-enabled? In other words, the experiment attempts to quantify the usefulness of IPv6 to the average end user, given the current deployment of IPv6 in the Internet.

http://eggert.org/meter/ipv6" title="Lars Eggert - IPv6 Deployment Trends"より)

個人的には、このサイト側のIPv6対応状況を見るというのは、特に今後意味を持つと思う。IPv4アドレス枯渇対策の理由であってもなんであったとしても、利用者に不利益が生じる場合には、IPv6でアクセス可能な状態にサイトを提供しない*1。実験的な段階から実用化の段階になった現在、真のIPv6の利用可能度を見るには、アクセス網のIPv6対応とサイト側のIPv6対応状況の両方を見ることが適切と思われる。

両方の統計データとも、誰でもアクセスできるので、定期的にチェックしてみると良い。

*1:実際にはこの統計はDNSだけを確認し、サイトがIPv6でアクセスできるかどうかは見ていない。