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ついにエンドユーザーの逆襲が始まった - 企業システムにおけるコンシューマーイノベーション

IT技術

「イノベーションは会社内で起きているんじゃない。手のひらで起きているんだ!」

というように、ITにおいて多くのイノベーションがコンシューマーサイドで起きているということは、ここ数年の技術の進化を見ると明らかである。ソーシャルメディアにしても、クラウドサービスにしても、まずコンシューマー向けに提供され、その流れがエンタープライズにやってくる。

サービス提供側も、導入のための障壁が多い企業システムにいきなり提供しようとすることは少ない。企業の情報システム部門が保守的であることを知っており、既存システムとの互換確保の検討や新サービス導入による投資効果などを示すために時間が必要なこともわかっている。

だが、今、その流れが大きく変わろうとしている。変わらない会社は将来を危うんだほうが良い。

エンタープライズとコンシューマーにおいてサービス*1の役割は大きく異なる。

エンタープライズでは、エンドユーザーに選択肢は無い。情報システム部門が選択したものが絶対であり、業務遂行のためにはそれを使わざるを得ない。主役は情報システム部門である。実際の力関係で利用部門に発言権や決定権があったとしても、導入するための作業を行っているのが情報システム部門であり、限られた予算を割り当てられているのも多くの場合は情報システム部門だ。したがって、情報システム部門により導入されるものが絶対であり、それに従わざるをえない。

一方、コンシューマーにおいては、サービスを使うかどうかはエンドユーザーに委ねられている。また、サービスを使うとしても、数多くの選択肢の中から選ぶことが可能だ。主役はあくまでもエンドユーザーだ。

そのため、コンシューマー市場においては、サービス提供側はエンドユーザーに選択されるための努力をする。ユーザー体験を高めるためのユーザービリティの向上や操作の習得コストを低くするためのゲームニクスの導入など、使ってもらうため、使い続けてもらうため、多く使ってもらうための努力を惜しまない。

エンタープライズ市場では、実はエンドユーザーが不在であることさえある。サービス提供者にとってのユーザーは意思決定者である情報システム部門であったりする。情報システム部門の担当者が導入しやすく、管理しやすいことが重要である。エンドユーザーの要求は二の次だったり、情報システム部門というフィルターを通してしか伝わらない。コンシューマー市場における激しい競争とは、その部分においては大きく異なる。

この状況が急激に変わりつつある。ブラウザにおいてのIE独り勝ち状態が崩れつつあることやパーソナルコンピュータの変わりにiPadのようなタブレットが使われるようになっていること、スマートフォンが普及しつつあることなどがその要因だ。コンシューマー側の加速するイノベーションにより、エンドユーザー側が逆襲できるようになったのだ。

普段自分が使っていて、楽しく、便利なものがなぜ社内システムでは使えないのか。そいういう素朴な疑問がエンドユーザーから出る。

今までもそのような要求はあったろう。だが、今回はタンジブルな形でイノベーションが起きている。画面をタッチしながら、ぐりぐりして、ほらできちゃった。声で話しかけるだけで、あらびっくり、もう見つかった。そういうことが、それこそ、ITをイットって呼んじゃっていたようなおぢさんレベルでも感動させちゃって、情報システム部門に殴りこみそうな状態なわけだ。

実際には、費用対効果などを考えたりすると、すぐに導入できるというようなところは数少ないだろう。だが、検討さえしていないという企業に未来はない。経営陣や幹部に一人くらいはスマートフォンで世界が変わっちゃったというような人がいないと危ない。

手のひらから始まる情報革命、ついに企業へ。
カッコよく決まったところで、おやすみなさい。

補足:
もともとはChromeのシェアがあがっているのだから、Chromeなど非IEブラウザの社内利用の検討はしていないとだめだよねというGoogle+での議論から始まった。これ
Facebookでの議論も面白い。これ

*1:システムと書こうかと思ったが、コンシューマーにおいてシステムというのは違和感があったので、サービスとしている。