富士通によるJIS2004対応ウェブミドルウェア
Interstageは富士通のミドルウェア製品群として有名だが、その中にInterstage Charset Managerというものがあるのを知った。なにせ、Interstageという名前の付く製品がごちゃまんとあるので、知らない製品が多いのも許してもらえるだろう。
Interstage Charset Managerはマルチプラットフォームでの文字コード管理を行う製品だが、それがJIS2004問題への対応機能を追加したようだ。
富士通,Webアプリケーションの「JIS2004対応」を支援するミドルウエア
ご存知のように、Windows Vistaとそれ以前とで一部の文字で字形が異なるなどの課題を抱えるWindows VistaのJIS2004対応であり、マイクロソフトもそのためにWindows XPにJIS2004対応のフォントを提供するなどしているのだが、混在環境においてスムーズな移行を行うことが課題であった。富士通のInterstage Charset Managerはそのための支援ミドルウェアだ。
JIS2004で新規に追加された文字がシステムに侵入するのを制限したり,Windows XPとWindows Vistaで字形を統一したりできるようになるとしている。
Interstage Charset ManagerのJIS2004対応機能は4つある。
まず、ウェブアプリケーションにおいて表示される字形を統一する。
1つ目の機能は,Webアプリケーションに表示させる文字の字形を,Windows XPとWindows Vistaで統一させるものである(写真2)。富士通では,JIS2004問題に関連する文字を,Webブラウザ内で画像ファイルなどに置き換えるAjaxコンポーネントを開発した。
2つ目の機能はJIS2004文字の入力制限機能だ。
2つ目の機能は,WebアプリケーションでJIS2004の追加文字を入力できなくするものだ。これも,Ajaxコンポーネントによって実現しており,ユーザーがJIS2004の追加文字をテキスト・ボックスに入力しようとすると,文字が「×」という画像に置き換わる。
3つ目の機能はクライアント側ではなく、ウェブサーバーとバックエンドシステムとの間でのバリデーション機能だ。いわゆる3階層のウェブシステムにおける2階層目と3階層目の間で文字のバリデーションを行い、バックエンドシステムがJIS2004対応していない場合に、その文字が侵入することをブロックする。4つ目も同じくウェブサーバーとバックエンドシステム間の機能だが、ブロックするのではなく、安全なコードに置き換える機能だ。いずれも1つ目と2つ目のクライアント側でのものを補完するものとなるのだろう。つまり、クライアント側の対応ができない場合、もしくはさらに確実な対応を行いたい場合にサーバー側でも対応するためのものかと思われる。
3つ目の機能は,JIS2004の追加文字を,Webサーバーとバックエンドの基幹業務システムとの間でブロックするという「バリデーション」機能。4つ目は,Webサーバーと基幹業務システムの間で,JIS2004の追加文字を既存の文字に置き換える「コード置換機能」である
なんとなく、私も一時関係していた*1XKPを彷彿とさせる。JIS2004関連文字を対応していないクライアントには画像ファイルとして送信するなどはXKPと同様のアプローチに思える。ただし、Interstage Charset Managerでは、JIS2004関連と判別されて画像ファイルとしてクライアントに送信された部分のコピー&ペーストについてもクライアントのAJAXコンポーネントによって、きちんと文字として認識される。ユーザー側からの透過性は高いものではないかと思える。
いずれにしろ、富士通さんが言われている「ソフトランディング」という言葉には激しく同意する。
「Windows VistaがJIS2004に対応したので,今後,ユーザーの文字環境は間違いなくJIS2004にシフトする。しかし,既存のユーザーや,既存システムの対応状況を考えると,JIS2004に急に移行するのではなく,『ソフト・ランディング(軟着陸)』させることが重要になる。移行時のトラブル対策として,Interstage Charset Managerは有効だ」と野島氏は強調する。
参照:
*1:前の前の会社のとき